[i-mode版]                要 望 書

(株)ワイティービジネスの産業廃棄物処分業許可問題について

 川勝静岡県知事におかれましては就任以来、精力的に静岡県民のくらしと環境を守るためにご尽力されていることに感謝申し上げます。
 平成20年11月14日前任の知事時代に提出された(株)ワイティービジネスの許可取り消し後の3回目の産業廃棄物処分業許可申請に対し、知事就任後の8月には現地下田市の桧沢林道沿線の焼却施設等も視察されたとうかがっております。知事として伊豆半島の自然や環境を守るために示した選挙公約や就任直後の静岡県議会での所信表明演説においても並々ならない決意を示されました。
 私たちは、このような川勝知事の政治姿勢に期待し、今回も(株)ワイティービジネスの下田における処分業の許可は不許可となることを確信しておりました。
 ところが、8月27日下田市長に対し川勝知事が直接、現状では不許可とすることは困難であり、厳しい条件を付けて許可する方向を示されたと聞いております。私たちは1980年代後半から約20年余り、大都会から持ち込まれた大量の産業廃棄物によって、くらしと自然環境が大きく損なわれました。
 観光で生きる下田市に一日200台からの大型車による産廃ゴミが持ち込まれていました。私たちは住民の自主的な運動をねばり強く続け、業者や静岡県当局と交渉を重ね、平成11年4月27日には当時、桧沢で営業していた(株)ワイティービジネスなど二社の産廃関係の許可取り消しという県の処分を迎えることが出来ました。
 許可を取り消された業者は5年経過以後、今回を含めて3回の許可申請を県当局に提出しておりますが、県当局は過去2回いずれも住民の意向を入れて不許可としました。許可取り消し後の約10年間業者の基本的姿勢はほとんど変わっておりません。 この業者がどのような言辞を出したとしても下田市民を納得させるものではありません。
 私たちは、他地区からの産業廃棄物等の大量の持ち込み、焼却処分等について今後とも絶対反対であることを表明します。

                        記

1、私たちが9月7日川勝知事宛てに提出した要望書に示したとおり、桧沢林道沿線における過去の焼却、埋立、残灰処理などの問題点が少しも解明されないまま許可問題が検討されるのは、おかしいとおもいます。 県が(株)ワイティービジネスの産業廃棄物処分業の許可申請書を審査するに当って、過去の県の行政指導や改善命令等どのように処理されたか、検証されなければならないと思います。この点についての県の調査結果についてご報告下さい。

2、産業廃棄物処分業の許可を取り消された業者の三度目の許可申請であり、法的対応が出来ないと県当局は言っているようですが、その根拠を説明してください。
                3、平成19年11月28日この業者の産業廃棄物収集運搬業の許可申請に対して、県は不許可としました。わずか1〜2年前の不許可決定から条件付け許可にしようとする根拠は何でしょうか。

4、潟純Cティービジネスの事業計画はどうなっておりますか。一日何トン
の、どんな産廃ゴミがどこの工場や事業所から持ち込まれることになっているのでしょうか。
 現施設はどんな施設があり、どんな管理がされているのでしょうか。今後どんな施設計画がありますか。またバランスシートや予定損益計算書を明らかにしてください。
県が処分業の許可をすることは、産廃公害や違法操業の「恐れなし」との判断をされることになります。その根拠を明らかにして下さい。

5、下田市民はすでに12,862名の連署を持って許可しないよう要請しています。下田市議会も9月30日、三回目の不許可とするよう県当局に対する決議、意見書を提出しております。住民合意を欠いた行政執行は住民自治の基本原則に反することであり、このような問題に対する取り扱いは、住民合意が前提であると考えます。
 県当局は下田市の住民の大多数が反対している産業廃棄物処分業の許可について、住民が納得できる説明や情報の開示がないまま強行的に業の許可を下すことのないよう強く求めるものです。
                     平成21年11月16日

静岡県知事 川勝平太 様

自然破壊と廃棄物公害を防止する住民連合会 共同代表 小林弘次
               
事務局  澤登英信

(注)誤字・脱字、住所等の字句を一部修正してあります。


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